厳冬期 八ヶ岳 赤岳横岳縦走-2
・・・厳冬期 八ヶ岳 赤岳横岳縦走-1 より続く
夜中は満天の星空だった、という話を聞きながら外を見てみると・・・強烈な風と雪が吹き付けていました。天気図的には9時以降には好天しそうなのですが・・・。他にも横岳に向かったパーティもいるようですし、取り敢えず横岳に向かいました。
地蔵尾根分岐を過ぎると、トレースも心細くなってきます。二十三夜峰の蔭から先を望んだ図です。
日ノ岳ルンゼに着きました。先行した二人組が核心部を登っています。
核心部の一つではありますが、雪の状態も良く登りやすかったです。
ルンゼを登り切った所で赤岳に向かうパーティとすれ違いました。ルンゼの登りでゴーグルが完全に曇って凍り、使い物にならなくなりました・・・吹雪の中で裸眼はキツイ・・・
日ノ岳を登り切り、茅野側斜面のトラバースに入ります。左側は谷ですから充分気を付けて進みます。
途中鎖が途切れた辺りはトレースも消え、ピッケルの跡だけが頼り・・・。斜面を少し進むと再び鎖が現れ、峰岳に向かっての直上に入ります。
この辺りから横岳にかけては吹きっさらしの稜線を進むので、まぁ風の強い事・・・風速は常時20m/s位はあったと思います。トレースもきれいに無くなっていました。ザックに付けた温度計はマイナス18~20℃を示していました、体感温度はマイナス38~40℃になります。
やがて三叉峰。杣添尾根の分岐点ですが何も見えず・・・
黙々と稜線を進むとハシゴが現れました。これを越えれば横岳山頂のハズです。
厳冬期の横岳(2,829m)到着。先行していたパーティに追いついたので写真を撮ってもらえました。
横岳からの下りは細いリッジ状を進みます。先行した二人が左眼下のカニの横這い地帯を進んでいます。
リッジです。左右はスッパリ切れているので風に飛ばされないよう注意して進みます。
一段下って茅野側のトラバース カニの横這いです。すごくキワドク見えますが、足場はとてもしっかりしており難なく進みます。
稜線をまたいで野辺山側のトラバースに入りました。こちらもさっさと通過。
ここから硫黄岳までは一番の強風地帯です。コースを示す鉄杭につく巨大なエビの尻尾でその風の強さがわかると思います。体を風上側に30度位倒してちょうど良いくらいの強風です。
硫黄岳への登りに入ります。氷柱と化したケルンに導かれながら進みます。少しガスが薄くなってきました。
間もなく硫黄岳山頂です。なんとなく空も明るい・・・晴れるかな?
直前までのガスがうそのようです。温かそうに見えますが強風超寒です。
歩いてきた赤岳からの稜線が姿を現しました。あと2時間早く晴れてくれればなぁ・・・。
ここからは稜線の陰に入るので無風地帯です。沢山の樹氷(モンスター)達が迎えてくれました。
さっきまでの劇風がウソのようです。気温は低いままですが日差しが温かいです。
樹間からの赤岳です。雪煙が巻き上がる稜線は相変わらず風が強そうです。
赤岳鉱泉まで下ってきました。せっかくなので暖をとる事とし、昼食にカレーを所望しました。シアワセなひと時です。
「カレー下さい」というと「どれにしますか?」と・・・
見るとバリエーションが沢山ありました。最近の山小屋は凝ってますねー(^^)
今日もアイスキャンディーでアイスクライミングに興じる方々が・・・。この晴天の中、楽しそう・・・
美濃戸に到着です。阿弥陀岳がきれいです。
悪天候から一瞬で快晴になった八ヶ岳。天気図通りに変わってくれたので良かったですが、一瞬で悪天候となる「逆」もあることを肝に銘じておかねばなりませんね。
ニホンカモシカさんですね。
「お疲れさん、気を付けて帰れよ!」と言ったかどうか・・・
おしまい。
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コメント
すっごいかっちょえーです‼
厳冬期の八ヶ岳!憧れるだけでとても行かれそうはありませんが、来年はしらびそ小屋へスノートレッキングしたいです♩
あひるさんには刺激が足りないとは思いますが、ストーブで焼かれる厚切りトーストを食べに行きませんか☆
投稿: しま | 2012年3月17日 (土) 12時00分
■しまさん、こんにちは。
数年前から少しずつ難しい所に行き、
昨年の天狗岳、今年の赤岳に次いで、
目標の横岳縦走に辿り着けました。
ここまで行けば一区切りでしょうか・・・
冬のしらびそ小屋は是非行きたい場所の一つです
是非来シーズンは行きたいですね。
投稿: あひる→しまさん | 2012年3月18日 (日) 01時10分
よくぞご無事で と言いたいところですが
アヒルさんにとっては
なんて事ないんだろうな~
天気図を呼んでのことでしょうが
あの悪天の中に出ていくのは怖いな~
それでも、その後の青空は感動ものですね
厳冬期の八ヶ岳 疑似体験した感じです
ありがとう!!
投稿: よしくに | 2012年3月18日 (日) 07時07分
■よしくにさん、こんにちは。
「どうしようかな」とも思ったのですが・・・
長距離でも無いしイザとなったら地蔵尾根まで
戻れば、という気持ちで出かけました。
前日、横岳方面から来た何人かの方に
コース状況は聞いていたので、
比較的安心していました。
文中にも書きましたが・・・
あと2時間早く晴れてくれれば・・・
投稿: あひる→よしくにさん | 2012年3月21日 (水) 01時37分