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2010年9月 5日 (日)

剱・北方稜線-3 北方稜線(1)

・・・剱・北方稜線-2 剱岳へ より続く

ここからが今日のメインイベント、北方稜線です。ここまで同行の麦酒さんと別れて単独となります。
8:13 いざ出発!
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※ここから先のコースはキチンと整備された登山道ではありません。足元は不安定な石だらけで、地図上に現れない踏み後の分岐も多数あり、岩場はルートを誤ると進退窮まります。岩場歩きに慣れて、磁石と地図で自分の行くコースを判断出来る、自己責任で行ける方以外は行かれない方が賢明です。もし行かれて怪我して動けなくなっても誰も通らないので助けてもらえません。特に北方稜線は最近遭難事故が多発しているようです。くれぐれも安易に行かれませんように・・・※

少し降りて振り返ると、剱岳山頂は人が沢山。賑やかな人の声が聞こえてくるのですが・・・Tsurugi_h053
更に進むと突然人の声が途切れ、今までの喧騒が嘘のようにシーンと静まり返りました。「あ、バリエーションルートに入ったんだ・・・」と感じ、緊張が走った瞬間です。

進む北方稜線には先行者はいない模様。白馬岳を始めとした北部北アルプスの山々がとてもキレイです。(山名入りの写真はこちらを(1024*768pixで開きます))
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こんな岩稜帯でも高山植物が気持ちを和ませてくれます。アキノキリンソウwithチングルマ。
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向かう稜線の険しさを感じます。
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剱岳から標高差100m程下ると、長次郎谷左俣源頭部の長次郎のコル(写真下部)です。そして長次郎ノ頭への登りが待っています。
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長次郎ノ頭への登りは、歩かれているルートがいくつもあります。ガレ場を上部まで登り詰めて更に攀じるルート、上部からトラバースに入るルート、下部からトラバースに入り、裏側のルンゼを登るルート等・・・ この3つのルートを下記写真に書き込んでみました(←クリックすると開きます)。行かれる方の力量に合わせてどこを通るか決める事になると思います。(自分で決められない人は行ってはいけないコースなのです。決められたコースは無いのですから・・・)
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コルまで降り切り、長次郎谷左俣を見下ろした図です。もう殆んど雪渓も無くなってきています。
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ここから2枚上の写真に見えているガレ場の登りです。おのぼりさんのあひるは一番上の上部攀じ登りルートをとりました。
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ガレ場上部まで登ってきました。(遠そうに見えますが2~3分程の距離なのです・・・)   ここから、写真真ん中辺りを一段上のトラバース道まで攀じ登りました。岩が斜行していて大きいので一部掴み所が良くなかったです。
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トラバース道に着きました。踏み跡がしっかりあります。
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下部からトラバースすると、このルンゼ内を登る事になります。(写真右下が長次郎のコルです)
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稜線に向かって踏み跡は続いています。せっかくなので長次郎ノ頭に寄り道する事にしました。
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8:39 長次郎ノ頭到着。10分程休憩としました。
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剱岳本峰と長次郎のコルまで下って来た稜線です。見ていると3パーティー位北方稜線に向かって来ているようでした。追いつかれないように早々に出発です。
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基本的にはどこも稜線の下部を巻いていく踏み跡に従うみたいです。
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モアイみたいな岩ですね・・・ ここももだいぶ下の方に巻き道がありました。
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八ツ峰が屏風のように立ちはだかっています。しかし急峻な岩場です。
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稜線にはいくつも小ピークが出てきますが全部巻き道。こちらも下部の草付の上を巻いて行きました。
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振り返った図です。本峰からだいぶ遠ざかってきました。
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岩場の中段にトラバース道が見えていますが、ここも素直に下部を巻きます。
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少し進むと絶壁に突き当たり「あれ??」と思いますが、そのまま岩壁を回り込んで行くと、お助けロープがぶら下がっていました。(結構有名なポイントです。)
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足元は結構キレています。
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岩棚を横断して振り返った図です。真ん中辺りでクラック(割れ目)をまたぐ所が核心部ですね。
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ガレ場を斜めに上がるように進んでいきます。
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横を見ると、八ツ峰(左)と源次郎尾根(右)に挟まれた長次郎谷です。
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池の平の方から登って来たパーティーとすれ違いました。写真中央に見えているツルツルの岩壁が先程トラバースしてきた岩棚道のある所です。
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アップにしてみました。岩壁の真ん中辺りに左右に岩棚が走っているのが判りますか?そこがルートです。右側のクラックがお助けロープで跨いだ方ですね。上の写真でわかる通り、稜線への登下降はかなり難しそうですので、こちらの岩棚に向かわねば通過しにくい所です。この辺りがルートファインディングの難しさですね。
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程なく二枚岩に挟まれた広場に着きました。向こうには八ツ峰の頭が迫ってきました。
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広場を通り抜けて左折、稜線に向けて登ります。
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剱岳方向、歩いてきたルートを振り返ってみました。
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長次郎ノ頭以降、ずっと長次郎谷側を通っていましたが、ここで池の谷側の景色が開けました。眼下に延びるのは剱尾根です。尖がっているのはドームでしょうか。
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眼下に小窓ノ王が見えました。その基部である三ノ窓まではここから標高差250m、岩で埋まる池ノ谷ガリーの下りです。それにしても、ここの景色は凄かったです。遠近感が無くなるというか、縦と横が判らなくなるというか、一瞬目眩を起こしそうな雄大な景色でした。小窓ノ王基部から斜上するバンドが"発射台"とか言われていますが、斜行しているため、通常の縦横の感覚だけで景色を捉えられないからかもしれません。しばし言葉を失いこの景色に見とれました。
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ほんの少し視点を右側に向けてみた写真に地名を入れてみました。青い矢印は進むルートです。
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進路には八ツ峰の頭とチンネがそそりたっています。
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ここから見ると、八ツ峰がきれい(?)に整列しているのがわかりますね。
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ここから眼下の池ノ谷乗越まで、50m程急下降します。
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同じ場所を下から見上げた図。中央左のルンゼを通る方も多いようですが、上から見る限りは通り難そうに感じました。あひるは中央のフェイスをクライムダウンしてきました。
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下りきった所が池ノ谷乗越です。長次郎谷と池ノ谷ガリー双方の源頭部にあたります。
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こちらが長次郎谷右俣、明るいです。
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対する池ノ谷ガリー、日陰になり暗いです。標高差200m程のガレ場下りです。
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少し下って、池ノ谷乗越を見上げました。
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なんとなく踏み跡らしきものがありました。そこを歩くと少しは岩雪崩にならない感じです。
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チンネの岩壁を見上げます。池ノ谷ガリーの斜度が判ると思います。
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おや?岩の間に踏み跡が見える・・・。行ってみましょう。
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おー・・・、窓のようになっていました。
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赤い屋根の仙人池ヒュッテが見えています。池の平小屋からはトラバース気味に結構登っているのですよね・・・まだまだ遠い。
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小窓ノ王が目線と同じ高さになってきました。
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"発射台"の斜行バンドです。ここから見ると、どうやって登るの?という感じに見えます。
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下部に来ると岩が大きくなり、歩きにくさが増してきました。全ての岩が"浮石"という感じなのです。
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間もなく三ノ窓に到着です。
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剱・北方稜線-3 北方稜線(2) へ続く・・・

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コメント

聞きしにまさる凄い道ですね
改めてあひるさんに脱帽!!
おもしろそうだけど、
私にはガイドなしには歩けない所ですね
続きを期待します

投稿: くに | 2010年9月21日 (火) 18時29分

こんばんは。初コメです。
1年ほど前、あひるさんの北鎌尾根の記事を読んで勉強し、昨年・今年と北鎌へ行った者です。

今月、別山乗越から剣に登りましたが、頂上から見える北方稜線に興味を持ちました。

ここもすごそうなルートですね!
自分が行くチャンスがあるかどうかわかりませんが、その際にはまた参考にさせていただきたいと思います。

続きが楽しみです!

投稿: ビモータ | 2010年9月21日 (火) 23時06分

■くにさん、こんにちは。
はい、面白い道ですよーhappy01
北方稜線は北鎌尾根程長いコースでは無いので、
比較的精神的ゆとりをもって進む事が出来ました。
ガイドさんと供にでも、歩いてみる価値が
ある道だと思います。続きも是非ご覧下さい・・・

投稿: あひる | 2010年9月22日 (水) 01時26分

■ビモータさん、はじめまして。
ようこそお越し下さいました。
北鎌の記事を参考にして頂いたようで
ありがとうございました。
少しは役に立ちましたでしょうか?

剱は、私の一週間後に行かれたのですね!
ニアミス(というにはちょっと離れ過ぎ(?))でしたね。
北方稜線は険しいルートに違いは無いですが、
北鎌尾根に比べると距離も短いので安心して歩けますよ。
(勿論バリエーションルート同士の比較ですから、
別山尾根で剱までのコースのように楽に歩ける所とは
全然違います)

じわじわと掲載しますので、また是非お寄り下さい。

投稿: あひる | 2010年9月22日 (水) 01時40分

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