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2010年9月 5日 (日)

剱・北方稜線-4 北方稜線(2)

・・・剱・北方稜線-3 北方稜線(1) より続く

三ノ窓から見上げた小窓ノ王です。
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「窓」とは富山の言葉で「コル、鞍部」の事、長野で言えば「切戸(キレット)」です。富山側から剱の山々を見て、一番左に見える大きい鞍部が「大窓」、その隣に見える少し小さな鞍部が「小窓」、そして三番目に見える鞍部だから「三ノ窓」なのですね。

・・・という訳で、「窓」は少し広々した休憩にはもってこいの場所。テントも一張ありました。チンネへのクライミングにでも出かけているのでしょうか。広々した三ノ窓雪渓、彼方には鹿島槍ヶ岳が優美な姿を見せています。
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こちらは下って来た方角です。ジャンダルム(前衛峰)が屏風のようです。チンネの前衛峰という事ですね。
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三ノ窓雪渓の反対側は池ノ谷左俣、何と細く険しい谷・・・転がり落ちたら奈落に一直線という感じです。
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そしてこちらがこれから向かう小窓ノ王の斜行バンドです。左端は池ノ谷への絶壁ですが思いの外広く登りやすいのです。
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10分程休んで10:12出発。一旦少し池ノ谷側に下ります。池ノ谷ガリーを見上げてみました。
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バンドの登りです。結構広いのです、勿論ザレ、ガレで普通の登山道とは大違いですが・・・
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小窓ノ王を巻く部分まで登って来て、下って来た池ノ谷ガリーを振り返りました。右上のピークが先程"目眩がしそうな位の感動"を受けた場所、左の扇状岩峰がチンネです。凄い所を通って来たのですね。
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ここでガイドツアーの3人組パーティー(上の写真)、東京山楽会の2人組パーティー(下の写真)とすれ違いました。北方稜線ですれ違ったのは先程の2人組パーティーを含めて、3パーティだけでした。ガイドはこの界隈では有名な稲葉さんでした(←後から仙人池ヒュッテで知りました(^^;)

ここからは稜線を外れてトラバース気味にハイマツ帯を進みます。この写真は振り返った図です。
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少し行くと足元の石に赤い「→」が・・・ここから小窓雪渓側への下降に入ります。
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下降は眼下に見える大岩までで、そこから左に折れて再度トラバースに入ります。
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小窓を挟んで向かい側には池ノ平山が見えています。時間があれば寄ってみたい所でした。
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目印の大岩が近付いてきました。
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大岩から再度トラバースに入りました。最初に岩場を巻く辺り、よくホームページ等で見る景色です。
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急斜面の雪渓トラバースポイントですが・・・既に雪は無くなっていました。
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チングルマの穂がなびいていました。山の短い夏ももうすぐ終わりです。
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のどかな草付きを進んでいきます。
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小窓ノ王からだいぶ降りてきました。
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昨日から何回も出会っているミヤマアキノキリンソウです。岩場と草地の中で、色鮮やかな高山植物にはホッとさせられます。
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色とりどりです・・・
Tsurugi_h134

下っていくと左(小窓ノ頭)側から踏み跡が合わさってきました。池の平から剱岳に向かう際は間違って直進しないよう注意ポイントです。(振り返って撮っています。左の道から歩いて来ました。)
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ヨツバシオガマです。
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少しガスが出てきたようです。小窓ノ王のピークにガスがかかりだしました。
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また稜線(小窓ノ頭)方向から道が合流してきました。稜線に入ってしまうと厳しい道だそうですので、ここも逆ルートだと要注意ですね。(ここも振り返って撮影)
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小窓雪渓が近付いて来ました。雪渓からの出口が判りにくいらしいのでガスの中歩きたくないなぁ、と思います。
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今まではずっと稜線東側(剱沢側)を歩いていましたが、ここからは一つ西側の小さな沢に下降路をとります。
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かなり湿気った滑りやすい草付き急斜面です。ザックが木に引っ掛かるは、滑るは・・・歩きにくい所です。
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トリカブトが沢山咲いていました。
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眼下に小窓(鞍部)が見えてきました。
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11:42小窓到着。
「今日は午後からガスが出るよ」と剱澤小屋で教えてもらっていたので、午前中には雪渓に入りたいと思っていたのですが、オンタイムで着けました。ここで10分程休憩。
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小窓雪渓と反対側の西仙人谷は既にガスに包まれて鬱蒼とした雰囲気です。
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小窓雪渓にはまだまだ雪がたっぷり。誰もいない静かな雪渓を下ります。
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下りだしてすぐに右岸に一つ目の滝が見えました。
Tsurugi_h148

意外と下るのだなぁ、と思いながら、小窓を見上げました。時々雪渓の上をガスがふわーっと流れて来て視界を奪います。
Tsurugi_h151

雪渓からの出口は、右岸から落ちる2番目の滝の手前、と記憶していました。この辺りから結構大きく滝の音が聞こえてきました。よく目を凝らすと、出口の「○」マークが見えてきました。左岸に見える大岩の陰です・・・判りますか?Tsurugi_h150

ズームで見てみると、いくつも印が・・・
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ちょうど2番目の滝も見えてきました。
Tsurugi_h153

雪渓出口と滝の位置関係はこんな感じです。
Tsurugi_h154

出口から小窓を見上げました。既に小窓付近はガスに閉ざされつつあります。小窓から直線距離で650m、標高差210m程下った所が雪渓の出口ポイントでした。ガスが出たらこの出口は本当に見つけにくいと思います。この出口を見過ごして雪渓をずっと下ってしまう方が大変多いそうです。(剱澤小屋の主も言われていました。)下り過ぎるといずれは行き詰るようですので、要注意ポイントです。
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池の平小屋によると、過去に、霧でコースを見失い3日間も小窓でビバークされた方もおられたそうです。

ここから鉱山道に入ります。"道"と言ってもバリエーションルート、踏み跡程度のザレ道です。また、池の平小屋の主も鉱山道は危険と言われており、充分注意が必要な道なのです。
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外傾した岩棚のトラバースです。右側は絶壁で、落ちたら雪渓まで一直線。気の抜けない道が続きます。
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ちょうど滝の正面です。"モンローの唇"の下半分だけが一番上に見えています。
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鉱山道は、最初、下の廊下に出てくるようなくり抜き水平道を通り、こちらの斜面をジグザグに付けられた岩棚に沿いながら登ります。登る標高差は20m程ですが・・・
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結構危なっかしい道なのです。登って来た岩棚道を振り返った図です。岩が濡れていたら滑りやすそうです。鉱山道も事故が多いようですので、しっかり注意しながら歩く必要があります。
Tsurugi_h160

登りきった所にチンネ展望台のプレートが置いてありました。
(※この岩を超えて行った所に展望台があるそうです。岩好きさん、ご指摘感謝です)
Tsurugi_h161

剱・北方稜線-5 北方稜線(3)~仙人温泉 へ続く・・・

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コメント

いや~凄いところですね
よくぞお一人で!!と
歓心(?笑)しきりで見せて貰いました

投稿: くに | 2010年9月24日 (金) 07時23分

こんばんは 昨年笠で出逢ったじんじんです。 北方稜線歩いてみたいけど、少し自信がでません。 今年は穂高縦走についで先週は早月尾根から剱岳に登ってきました。山頂から北方稜線をワクワクして覗いていました。 いつか歩きたい道です。
レポとても参考になりました。

投稿: じんじん | 2010年9月24日 (金) 22時45分

■くにさん、こんにちは。
ここは凄そうな写真が沢山撮れる所なのですcoldsweats01
道を探しながら、考えながら歩こうとすると、
一人の方が"一層集中出来る"という意識的メリット
もあるのです・・・
ただ、尚更怪我等出来ないので事前準備、
当日注意は更に必要ですが・・・

投稿: あひる | 2010年9月26日 (日) 13時43分

■じんじんさん、こんにちは。
ご無沙汰しております。
早月尾根、今度行きたいなぁと思っています。
剱の山頂に立つと、北方稜線に行ってみたい、
という気持ちになりますね。。
その先に稜線がある、ということで・・・

じわじわとステップアップされて、
是非行く機会を得られて下さい!

投稿: あひる | 2010年9月26日 (日) 13時48分

さすが天狗足のあひるさま、
ガスが出る前に小窓雪渓通過できてよかったですね。
バリエーションルートの雪渓でガスに遭ったらと思うだけで怖いですbearing

私には行けるとも、また行きたいとも思うエリアではありませんが
次から次へと現れる圧巻の景色と、
きちんと考えなければならない難しさが
「山と対話している!」って気持ちが
より大きく味わえる楽しいルートなのでしょうね。

続編楽しみにしております

投稿: むかしむかし | 2010年9月30日 (木) 21時19分

■むかしむかしさん、こんにちは。
"天狗足"は無理に使い過ぎて膝痛、現在名実とも
"あひる"状態になっております。
"ガスが出る前に"・・・確かにその通り!
バリエーションの雪渓+ガス、しかも初見&道迷いが
多発している地点、が重なると思うとゾッとしますねsweat01
視界を奪われるのは何よりも嫌でした。
結果急いで通過出来て良かったです。

当然リスクも高いですが、一つ一つの行程で、
どっちを歩くのが良いかな?と考える訳で、
それは正に"山との対話"ですね。対話を間違うと
なかなか下山させてくれない(?)かもしれませんcoldsweats01
一般ルートを歩く時の状況判断の良い勉強にもなりました。

投稿: あひる | 2010年10月 1日 (金) 00時28分

ブログ拝見させていただきました。
写真がたくさんあって、歩いた時を思い出しますね。写真も転送してもらいました。ありがとうございます。

やはりガスが出る前に小窓雪渓を下りてしまうなんてすごいですね!
結構、荷物を持っていたようですが、下りで迷うことはなかったのですか?
自分たちは、逆ルートでしたが小窓雪渓のあと少し迷いタイムロスしてました。

投稿: カメコ | 2010年10月 1日 (金) 00時38分

■カメコさん、こんにちは。
山行記の方ご覧頂きありがとうございました。
当日の思い出よみがえりましたでしょうか?

雪渓の出口は判りにくいと聞いていたので、
ガスが出る前に・・・と結構急いで下りました。
停止して"うーん・・・"と迷うような所は無かったです。
午後も晴れ、と判っていればもっとゆっくり
したところでしたが・・・

荷物・・・どうもいつもでかくて重いのです。
ザイルも入っていないのにあの大きさ。
余計なものをもっているからでしょうね。
だからヒザも痛くするのでしょうbearing・・・
はい、今後の要改善点です。

カメコさんが迷ったのは、このページに出ている
二つの分岐のどちらかを直進してしまったのでしょうか?

投稿: あひる | 2010年10月 3日 (日) 09時04分

初めての剱が北方稜線なんてあひるさん
らしいですね。なんてハイレベルな・・・
(私の初剱は早月尾根です。若かった・・)

いつもながら、見ているだけなのに自分が本当に歩いたような満足感がありますね。
北鎌は行こうと思ったことはありませんでしたが、北方稜線は昔からずっと行きたくて、
一度行こうとしたんですけど、剱沢で大雨にあって早々に雷鳥沢に撤退しました。でもあひるさんの山行記を見たら雨でなくても行けなかったなぁと実感してます。(当時の装備と準備では無理でした)
でも、この完璧な北方稜線ガイドを参考にさせてもらって、いつか行こうと思っています。できれば仙人池のかあちゃんにも会いたいなぁ。北方稜線(3)での登場期待してます。

投稿: SF | 2010年10月 3日 (日) 21時49分

■SFさん、こんにちは。
剱はずーっと行ってみたいと思いながらなかなか
行けませんでした。ただ、しばらく前から
行くのだったら向こう側に抜けたいと思っていたので
初回でそれが出来て良かったです。

臨場感を感じて頂けましたでしょうか?
良かったですconfident


基本稜線歩き、のような感じもしますが、
やはり名の通ったバリエーションルートですので
万全の準備で行かれると良いと思います。
とても満足感の得られる所、追々是非
トライされてみて下さい。

仙人池のかあちゃんは、、、はい、
しっかり次の会で登場しています。
(かあちゃんの大きな写真もあるのですが、、、
敢えて小さい方を載せました・・・)

投稿: あひる | 2010年10月 7日 (木) 01時59分

たびたびすいません。
チンネの見える展望台は、標識の置いてある岩を超えて行った所にあります。
ちょっとわかりづらい。
で、この標識があるところが展望台と思っている人が多いようです。
ちなみに北方稜線案内してくれた、小屋のボッカ君も勘違いしてました。
何回も通っているのに・・・(笑)

投稿: 岩好き | 2010年10月 8日 (金) 21時36分

■岩好きさん、こんにちは。
おおおsign01
現場経験者(?)の貴重なコメントありがとうございます。
早速本文に追記しましょう。
私もあそこが展望台と思いました。
と言ってもガスがかかっていましたし、
既に北方稜線から下って来たところだったので
あの標識は気付かずに通り過ぎる所でしたcoldsweats01
(下って来ると振り返らないと見えないですからね)

投稿: あひる | 2010年10月10日 (日) 19時58分

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